wanna be V

□wanna be V 10
1ページ/3ページ






目が覚めてからのカンナの回復力は目を見張るほどだった。



いい意味ではなく
悪い意味で



外傷はない、内臓にも異常はない。
しかし体力及び筋力が著しく低下していた。
目を覚ましたあの日に暴れていたあの姿が幻だったのではないかと思える程だ。

歩くことはおろか、上半身を起こすことにすら息を切らしている。
以前のカンナからは想像もつかないことだ。



やはり能力の使いすぎのせいなのだろうか。
悪魔の実の能力者
その名はよく知られているのに、各々の実の実態について知られていることは本当に少ない。
俺のこのオペオペの実もそうだ。
俺自身、この実の持つ能力を完全に把握しているかと聞かれれば、素直には頷けない。

キュアキュアの実も同じだ。
名前こそ羨望の的なくせに、誰もその実の実態を知らない。
『どんな怪我も病気も治せる』
しかし、その代償が能力者の体力だとは、俺でさえも想像だにしていなかったのだから。



しかしカンナは、そんなそぶりを微塵も見せようとしない。
特にベポの前では。
目を覚ましたカンナに涙を流すベポ。カンナはベポの頭をずっと撫でてやっていた。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ