中編

否定と不良
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私のご先祖様は四季崎記紀。今、私が持っている書は否定姫が書き残したもの

四百年も前の出来事を書き残したものよ。四季崎記紀が歴史の改ざんを行う為に変体刀を作ったという事実も

四季崎記紀に予知能力という能力があったということも全て


『でも、否定姫にも受け継がなかったものを私が受け継いだ事を私は否定するわ』


そんな戯言をつらつらと言葉にして一人喋りながら、頭の右側にくくりつけた不忍と書かれた仮面を触れていれば


「おいコラ開けろ!!」


この馬鹿でかい声の主。男鹿辰巳こと私の幼なじみ


『はいはい。今開けてあげるわよー』


辰巳クンは窓を開けると偉そうに私の部屋に入ってきた


「ほらよ」

『これは一体何かしらー?』


ぶっきらぼうに私にコンビニ袋を渡してきた


「あ゛?見てわかんねーのかよ。アイスだアイス」

『馬鹿ね、それぐらい見たら分かるわよ。私が聞いてるのは、私にアイスを買ってきた理由よ』

「んなもん、ついでだついで!」

『ふーん。ま、そういうことにしてあげるわ』


扇子で口を隠しながら、そう言ってあげると。かなり怖い顔して睨んでくる辰巳クン


「ったく、お前めんどくせぇな」

『不良の辰巳クンほどでもないわよー』


あら、このチョコアイス美味しいわね


「ていうか、お前外出たことねぇだろ」

『それって私が引きこもりって言いたいのかしら辰巳クン?』

「実際、お前引きこもりだろうが」

『私だってたまには外に出るわよー。失礼しちゃうわね』







(辰巳クンったら勝手に私の部屋に居座らないでくれる?)

(いいだろ別に、減るもんじゃねぇし)

(私はその言葉を否定するわー)














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