※もしも鑢七実成り代わり夢主がケロロ軍曹世界に

ケロロ寄り


――…現在は夜


「……」


緑色の蛙ことケロロは、ある家にいた

ケロロはある家のソファに正座で座り、ガクガクと尋常じゃないくらい震えていた


『何、寒いの?』


ある家とは。七実の家であった

七実は尋常じゃない程に震え、冷や汗が滝のように流れているケロロを見ながら。無表情で聞いていた


「あ、ああああのおお、そそそうじゃなくてですね!!」


七実はケロロが自分に恐れている、というか自分が苦手なんだろうという事くらいは察してはいたが、それを直接言うとケロロが更に怯えるので、直接的な事は言わないでいた


『そ、ならいいけれど』


と、そんなケロロの隣に座る七実であった。一人座れるくらいの間を空けて、だが


ビクウウウウウウ!!!!


それでも、ケロロは一々反応してしまうのだが

そんなケロロがどうして七実の家にいるのかというと、ケロロはギロロとくだらない理由で喧嘩したらしく、それで家出して来た

だが、そんなケロロは行く場所がなく、泣きながらうろうろしていると、偶然にもそこで七実とばったり出くわして、理由を話せば。暗いし家にでも泊まれば、とさらりと告げられ、さらっとケロロを脇に抱えて、家に連れてきたのだ


『(ここまで怯えるとは…思いもしなかったわ)』


流石にケロロ達に興味がなくても、ここまでされると、と思う七実である


「あ、あのォ……七実殿」
『何かしら』
「なな、なななななんで我輩を家に泊めてくれたんでありますかッ?」
『ただの気まぐれヨ』
「でっすよね!!」


無理にテンション上げなくても、と呆れる七実。そんな七実はテレビのリモコンを手に取り、テレビの電源を入れ

ケロロが好きそうなお笑い番組にチャンネルを変えていた

そのおかげか、少なからずはケロロは喜んでいるようだった


『………』


ちらりと、横目で彼を見る


『好きなだけいるといいわ』
「…え」


七実のその一言にケロロの大きな目を更に大きくし、これでもか、というくらい驚いていた


「い、いいんでありますかッ?!」
『別にいいわ。どうせ、部屋なら余っているし。勝手に使うといいわヨ』
「七実殿おおおお!!!」


号泣しながら、七実に抱きつくケロロだった

七実にそんな優しい言葉をかけられるとは思っていなかったらしく、思いの外、嬉しくて涙が出てきたらしいケロロ


「うわあああんん!!」


なんだコレ。と、心の中で呟く七実

何気にケロロは七実の胸に飛び込んでいる。本人は自覚がない


『………』


ぐすぐすっと泣いているケロロを


『(まぁ、今日だけいいか)』


特別サービスという奴だ


「ぐすっ、あれぇ?何かやわらかい感触が……」


今更の反応だ


ゲエエエエエロロロロロロロオオオオ!!!七実殿おおおおごめんでありますううう!!!


物凄い勢いで七実から離れ、土下座をしていた


『別に気にしていないわヨ』


無表情で答えた


「(いや、気にした方がいいと思うんでありますが)」
『…何?』
「なななんでもないであります!!」


七実殿って意外と無防備なんでありましょうか。と、心の中で呟くケロロ


「…え、えいっ」


もう一度、七実の胸に飛び込むのだった。今度はワザと


『………』


が、無表情で、特に気にする様子もなく、テレビを眺めていた


「(いやいやいやいやいやいやいや!!!何この無反応?!女の子としてどうよ?!どうなのよ?!)」


とか思っているクセに七実の胸に顔を押し付けているケロロである


「(すっげぇえ、やわらかいであります……あれ、ていうか、結構大きいような…)」


自分でやっといてアレなのだが


『………』
「(七実殿…やっぱり無防備すぎるでありますなぁ…)」


いくら、七実に恐怖しているといっても、そういう所は気にしてしまうのだった


『さっきから唸っているけれど、どうかしたの』


と、声をかける七実の声はケロロの耳に届いてはいなかった










続く








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