不浄の華は絶闇で毒を孕む
□不浄の華は絶闇で毒を孕む
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10を背負う男が現れた。
やっと現れたな。
俺と鬼道の言葉がカブる。
立てている襟が妙にキザっぽくてなんだか笑えた。
帝国側の了承で豪炎寺の出場は認められた。
思った通りに影山の目的は豪炎寺だった。
キックオフと同時に豪炎寺が走りだした。
アイツは俺がパスすると分かっているのだ。
さっさと試合を終わらすか。
俺は必殺技を必殺技で受け止めた。
ゴッドハンド。
大好きな、憧れの、じいちゃんの技。
じいちゃんの数少ない思い出。
円堂は豪炎時に真っ直ぐボールを蹴り上げた。
「ファイアトルネード!」
炎を纏ったボールがゴールネットを揺らした。
KOGの名も廃れたもんだ。
だがそれほどまでに豪炎寺の実力が高い事は確かだ。
俺は人知れず口角を上げた。
帝国側から試合放棄の申し出があり、オレ達は廃部の危機を免れたのだった。
10を背負う者
(序章は終わりだ。)
(そして物語は終焉へと向かう。)
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