少女XX

□少女XX
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エミリーはペラペラペラとページを捲り始めた。


後30分は掛かると計算し、ガゼルも本を読み始めた。


ガゼルは紅茶に口を付けた。


チラリとエミリーを盗み見ればエミリーはすでに3冊目を読み終えそうだった。


本に目を通すスピードがあり得ないスピードだった。


「分かった」


パタンと本を閉じたエミリーが言う。


読み初めてから5分程だった。


ガゼルは紅茶のカップをテーブルに置いた。


「本当に読んだのか?」


ガゼルの錆浅葱の双眸が疑わし気に見ていた。


「読んだよ」


エミリーは何故そんなことを聞くの、と言葉を付け加えた。


「読むのが異様に速いから読んでないんじゃないかと」


「なら試してみましょう?勿論実戦で」


エミリーはガゼルの手を掴んだ。


「あ、おい!」


この時間はまだ使用出来ないと言う前に走り出してしまった。


練習場に来ればプロミネンスが使用していた。


「使えないの?」


「この時間はな。後20分したら使えるようになる」


「ふーん」


こちらに気付いたプロミネンスのキャプテンことバーンが歩み寄ってきた。


「なんか用かよガゼル」


高圧的にバーンはガゼルに言う。


「用がないといけないのか?」


ガゼルの言葉にバーンがまた答える。


エミリーは睨み合う二人の間に立って言う。


「怒らないで。ガゼルは悪くないの。私がガゼルを無理に連れてきただけだから...」


エミリーはエメラルドの双眸を附せた。


心なしか獣耳と尻尾が下がっていた。


「泣かしたな」


追い討ちをかけるようなガゼルの言葉にバーンが焦る。


「なっ泣かしてねェ!勝手に決めつけんな!」


「あまり大声で騒ぐな。エミリーが怯える」





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