思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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「ね、剣城!」

松風君が剣城君に話題をふった。

可哀想に剣城君。

「お、俺に聞くな」

剣城君はポケットに手を突っこんだままそっぽを向いてしまった。

その仕草が妙に可愛くて笑みが漏れる。

「それじゃあ俺達のキャプテンを胴上げだ!」

三国先輩の掛け声で松風君をみんなで取り囲む。

なんだか集団リンチの様に見えなくもない。

わっしょい、わっしょいの掛け声で松風君が宙に浮く。

みんなが楽しそうで何よりだ。

今の気分を言えば春の入学式のような気分だ。

すがすがしい様な、期待感があるような、この先の不安感のような、そんな感情が渦巻いていた。

ふわふわ夢心地の気分。

「まぁ、私は管理されていてもされてなくてもホントはどっちでもよかったんだけどね…」

「それは、どういう意味だ」

私の隣にいた豪炎寺さんが言う。

聖帝としてフィフスセクターの頂点に君臨していた彼には分らないかもしれない。

フィフスセクターでも、彼は強者であり、革命を真っ先に始め、二重スパイの様に生きていた彼には分らないのかもしれない。

「本当の弱者にしか分からないですよ」

何しろ私は人類最弱の卑怯者ですから。

「電話帳の名前、イシドさんから豪炎寺さんに治しておきますね!」

聖帝選挙の結果が発表される。

結果は響木さんが次期聖帝となった。

聖帝挨拶により、フィフスセクターは解散となった。

本当のサッカーを取り戻せたけれども、本当にこれでよかったのか。

何しろ革命は成し遂げられたばかり。

その後に何が起こるか…いい結果か、悪い結果、どちらが起こるか。

それは誰にもわからない。





成し遂げられた革命


(聖帝の職業失ったイシドさん…豪炎寺さんはニートになったって事かな?)

(聖帝から無職ってかなりの転落人生ね。)




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