不浄の華は絶闇で毒を孕む

□不浄の華は絶闇で毒を孕む
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俺はクラスに転校してきた奴には見覚えがあった。



昨日どういう訳か俺を助けた奴。



俺は口角が上がるのを感じた。



それを無理矢理引き締め、彼に話しかけた。



勿論偽りの仮面を張り付けて。



「オレ、円堂守!サッカー部に入らないか?」



「すまない、俺はもうサッカーをやらないと決めたんだ」



彼はサッカーはもうやらないと言った。



以前やっていた。



それだけでも十分だ。



こいつはきっと強い奴だ。



だがその顔が妙に寂しそうで、じいちゃんが死んだ時を思い出した。



じいちゃんが死んだ時の俺によく似ていた。



何故だか分らないがじいちゃんの遺体はないのに死んだとか、遺灰すらない墓を見てただ客観的に冷めた目で冷たい墓石を見ていたのを覚えている。



俺はこいつを仲間(共犯者)にしようと思った。



同じ心[闇]を抱えているのならば一緒だ。



俺の事は俺が一番よく知っている。



仲間にするのは簡単だ。



甘い誘惑で誘い出し、闇に引きずり込むだけだ。



俺は口角が上がるのを 堪えた。









闇に誘う



(貴方求め、)


(月が消えるまで離さない。)








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