思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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「剣城君、剣城君」
私は唐突に剣城君に話し掛けた。
ほら、やっぱりマイダーリン(笑)ことイシドさんがスパイ的な事しろって強要してくるし。
何かしらそれらしい行動取らないとね。
「なんだよ」
「剣城君ってツンデレなの?」
よし、いいぞ私!
「はぁ?」
怪訝そうな顔。
ま、まさか!?
「ツンデレを知らないと言うの!?え、なにそれ可愛い…。自覚なしのツンデレとか初めて見たわ」
まるで二次元の登場人物みたいだ、萌える。
「だから何の話だ」
「いいのよ、剣城君。貴方は貴方のままでいてくれれば…」
私はうんうんと頷いて自己完結。
そして私は昼食を再開した。
片手では例の携帯を使って剣城君の事を報告する。
今日の剣城君のお昼はコーンとベーコンとマヨネーズのパンと焼きそばパンでした。
サッカープレイヤーがそんな食生活で大丈夫なのか心配です…って言うとなんか上京した息子を心配するお母さんみたいですね
剣城君が家でエプロンつけて料理をする姿を想像してみたんですが、案外似合いそうです。
送信っと。
よし、今日の報告オッケー。
携帯を仕舞おうとした時、突然携帯が震える。
慌てて携帯の画面を見れば着信だ。
で、電話…だと…!?
どんな緊急の用なんだ?
緊張する。
「剣城君ごめん、ちょっと席外すね」
私は立ち上がり、剣城君から離れていく。
剣城君から聞こえない位置まで行くと通話ボタンを押し、耳にあてる。
「もしもしダーリン?」
緊張しているという割には口から出た言葉はそんな事を感じさせない。
こういういい方でしか緊張や恐怖を紛らわす方法を私は知らない。
「ふざけているのか?」
ふざけている?勿論ふざけている。
そうでもしないと緊張と恐怖でどうにかなりそうだ。
どうやらイシドさんはダーリンは気に入らないそうだ。
「すみません、後でハニーに直しておきます」
「呼び方じゃない、報告の方だ」
なんだ、報告の方か。
「じゃあダーリンでいいんですね」
「……なんだあれは。小学生の朝顔の観察日記か?私は監視しろと言ったんだ。観察じゃない」
あれ、なんだろ最初の沈黙…。
そこは私の高いスルースキルを使ってなかった事にしておこうと思う。
「すみません、写真を撮ろうとすると嫌がるんで私の絵で我慢してください」
絵と言うのはさっき私が描いた絵日記的絵だ。
勿論携帯のタッチパネルを利用した絵なのでもう何が描いてあるのやら意味不明で、発色の良すぎる蛍光カラーしかなかったので目がさぞ痛かっただろう。
剣城君の姿を写真に収めることができないのは仕方ないのだ。
剣城君が嫌がるのは出来心で写真を撮った時に検証済みだ。
あの画像は私の中で永久的に宝物だ。
ストーカーじゃない、断じてストーカーじゃない。
「写真も絵も必要ない」
「あ、そうですか。それならそうと早く言ってくださいよ。無駄に労力と通信料掛かっちゃったじゃないですか」
「通信料はお前の金じゃないだろ」
「そうでした!てへぺろ!」
監視対象、剣城京介
(つまり公認stkって事だよね…。)
(ひゃっはー!
)
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