思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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刑部さん曰く、一人で行動しない事が一番安全だそうです。
友達の少ない私にぼっちをやめろと言う事ですか。
私だってぼっちが好きでぼっちやってるんじゃないんだからな!
くそう、皮肉かこんちくしょう。
そのかわり警戒心いつでもむき出しですけどね。
物音に敏感になり過ぎてめっちゃチキンになってしまったんですが。
夜な夜な一人でトイレ行けない子供みたいになっているんですが。
ガサガサと草が揺れる音に私はビクッと肩を震わせた。
まさか…、
「いやああああああ…ってあれ?」
草陰から出てきたのは猫だ。
確かいつだか私の手を引っ掻いた猫だ。
間違いない、鼻の所に黒いブチがある。
「もう、脅かさないでよ…死ぬかと思ったわ」
私が手を伸ばせば猫は警戒心丸出して、フーッと毛を逆立てた。
「大丈夫、何も怖くない」
なんてキツネリスを宥める風の谷の姫様気分になってみたり。
例え引っ掻いたとしてもペロペロしてくれる事を信じている。
刹那、衝撃と共に意識はブラックアウト。
最後に見たのは茂みに逃げていく猫の尻尾だった。
なにこれ意味が分からん。
目を開けるとそこは銀世界な事にあこがれた事はあるが、凍死は勘弁したい。
目が覚めた時に映った景色は自分の髪の毛と自分の膝だ。
首が痛い。
多分あれだ、椅子に座らされて気絶してたから多分首の位置が悪かったんだな。
軽く寝違えた気分。
割と冷静な思考ができている自分に驚く。
自分の状況確認の為どれだけ体を動かせるかごそごそしてみるが、いまいちだ。
手足は椅子に縛られちゃってるし、なんか強く縛り過ぎているのか椅子の当たり所が悪いのか左腕に血があんまり巡ってなくて痺れるような、冷たい様な。
腕とか切られちゃって出血なんかしてないよね、私。
「眠り姫のお目覚めかな」
声のした方に目を向けて後悔。
例の男だ。
何故脱いでいる。
台詞めっちゃ紳士だったのにどうした。
私はなんとなく視線を下げた。
「目的は私への報復?」
マジ何やってんだよ、コイツ。
「ああ」
「私をどうする気?」
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