散らせ散らせ、悪の華

□散らせ散らせ、悪の華
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「おはよー!」


『はよ。』


短く交わされる挨拶。


おはようと言っても時間は10時だ。


こんにちはと挨拶すべきか迷うところだ。


眠そうに欠伸を殺しながら挨拶をすればはしたないと沙織に怒られた。


だっていくら大学の授業が高校に比べ遅いからと言って、家から大学まで2時間30分かかるんだから多少早起きしなきゃいけない。


弁当は日替わりで女の子達に美味しくいただいてるから、その分弁当代と睡眠とれるからいいけど。


沙織は私の親友に値して、メチャクチャ可愛い。


私が男なら絶対口説いてる...と言うか時々口説いてる。


別にレズビアンとかじゃない。


女の子が猛烈に好きなだけ。


冗談で女の子を口説いたらそれ以来しょっちゅう口説いて欲しいと頼まれる。


彼女たち曰わく、最近の男はヘタレばかりでこっぱずかしい甘い言葉を言ってくれないからだそうだ。


物語のような台詞を言ってもらうのは女の子にとっては一種のロマンである。


最近の女の子ってみんなかわいいし、男からしたら私は疎ましい存在だ。


女の子ってホント最高だよ。


可愛いねって言っただけなのに泣かれた時は流石に驚いた。


「またバイトで寝不足?杭弥君?」


杭弥君。


君付けだけど私女の子だから。


例えさらしを使って胸を潰していようがメンズ服を着て、ウィッグ被ってようが女の子だと言い張ってやろう。


「あんまり無茶しちゃダメだよ。」


『心配してくれるの?俺様大歓迎ー。』


なんて戦国BASARAの佐助キャラでおどけてみせる。


実はこのキャラ、女の子達に割と好評なんだ。





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