散らせ散らせ、悪の華

□散らせ散らせ、悪の華
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目の前の水色の着物を着崩した美しい女性はゆっくりと口を開いた。


ウェーブのかかった金色の髪。


瞳の淡い若葉色が儚さを見せる。


「妾は混沌の女神、ティアマト...。」


その声は容姿の通り甘くセクシー。


『混沌の女神...?カオス!!まさにカオス!でもなんでっ!?なんで照美じゃない!?カオスと神様って言ったら照美しかないでしょ!?でもできれば3人集まると嬉しい!』


混乱状態で口が動くとなれば、杭弥の口からマシンガントークで一部の人にしかネタが分からない言葉がつらつらと出てくる。


イナズマイレブン好きな杭弥としてはカオスに反応を示さないわけがない。


「妾の話を聞けェーいっ!!」


声量を上げながら言い放つ。


女神がご乱心だ。


間違えた、ご立腹だ。


『あ、はい。スミマセン。』


杭弥は縮こまり、謝った。


話で聞いた事あるが、やっぱり美人さんの怒った顔は怖かった。


「妾は混沌の女神、ティアマト...。」


ティアマトは最初に言った事と同じ事を言った。


『それはさっきも聞きました。』


「少しは黙らっしゃい、小娘!」


ピシャリと言い放つ女神。


小娘と言われたことにときめきを感じた。


お、女の子と言われたのが久しぶりなので妙に嬉しい。


「妾はあんさんにもう一度チャンスを与えてやる。」


『まさか松田勇作の名言を言わせてくれるとか!!?』


黙れと言われたにも関わらず杭弥は再び口を開いた。


「違うわ!!」


即答されてしまいちょっとショック。


「あんさんにはある少年を救ってもらいたい。」


『少年?』


疑問に思うもティアマトは杭弥の疑問には答える事はなく、代わりに何やら呪文を唱えた。


「ピーチクパーチクホイホイホイ!」


ティアマトの言葉と同時に私の思考は遮断された。







混沌の女神、ティアマト



(まさに、)


(カオス!!)








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