散らせ散らせ、悪の華

□散らせ散らせ、悪の華
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杭弥が目を覚ますと、そこは真っ暗闇だった。


果てしない暗闇には見覚えがある。


ああ、また夢か。


なんて思いながら肉体には殆どの感覚がないのを感じた。


まるで水中にいるかのように耳に水の膜が出来ていて大半の音が拡散して消えてしまう。


ああ、ここは水の中なんだ。


三途の川を流れているのだろうか?


いや、そもそも三途の川と言うのは渡るもので、桃に入った桃太郎のように流れる訳ではない。


そもそも三途の川の先に海などがあるのだろうか?


そういえば日本の何処かにも三途の川と言うものが存在したな...。


考えとは別に辛うじて耳に聞こえて来たのは女の人の声。


優しくて、心地いい。


あれ、女の人の声?


視覚を使えない分、聴覚に神経を集中させる。


しかし途切れ途切れで余り聞こえ難い。


****


どれくらい経ったのか知らないが、数ヶ月は立った気がする。


相変わらず私は水中にいるような感覚。


もしかしてこのまま三途の川の果てにある三途の海(仮)にたどり着いてしまうのだろうか?


それとも何もない、これこそが罰なのだろうか?


罰...?


私が何をしたというのだ。


女のクセに女の子を口説いたのがいけないのか、そうなのか。


神様とやらは...ティアマトはコレを女の子を騙しているとでも言うのかチクショー!


女の子好きで何が悪い、女の子好きなんだよ、かわいーじゃん女の子。


急に何だか水の流れを感じた。


まっまさか滝!?


三途の滝なんて聞いたことないぞっ!?


感じたことない圧迫感に脳への酸素が減る。


痛い、辛い、苦しい!




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