散らせ散らせ、悪の華
□散らせ散らせ、悪の華
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拝啓、親愛なるあの世にいるお父さん、お母さん。
私は3歳になりました。
早く大人になりたいです。
何時までも鬱陶しい嫌がらせが続くのは辛いです。
もうすっかり歯が生えてきたので自らの舌を噛み切る事も可能だが、痛みに恐怖して中途半端に噛みそうなので止めておこうと思います。
それよりも私、生前の記憶と言うものがあるので、起立が可能になりました。
教えてもいない起立を成功させた私を見た世話係の彼女が私を神童とか天才だとか褒める事は当然有り得ない事で、気持ち悪がられました。
そして過激な暴力が増えました。
成る程、只でさえ普通じゃないからこんな事をやってのけると危機感を持ち、恐怖されると言うことか、成る程。
なら返って早い成長は自分の死亡率を上げると言うことだ。
早く大人になりたいと言うのに。
でもまぁ、大抵の傷は寝て起きたら治ってしまうものだから死亡率なんて普通の人よりも低いのだが。
非凡と平凡
(演じなければ、)
(完全なる平凡を。)
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