散らせ散らせ、悪の華

□散らせ散らせ、悪の華
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「久しぶりよのう、小娘。」


目の前には甘くセクシーな女性、ティアマトがいた。


『あ、死神さんお久しぶりです。』


「妾は死神などではない!女神じゃ!」


勿論死神じゃない事は知っている。


いや、彼女自身が死神じゃない確証も女神だと言う確証もない。


まぁどうでもいいけど。


『わざとだよ。』


なんて言っておどけてみせた。


「まぁよい。妾の言った事を覚えてるかえ?」


言ったこと...ダメだ。


ピーチクパーチクホーイホイしか浮かばないぞ。


『...ゴメン、流石に5年経つと忘れちゃうわ。』


「少年を救うと言う約束じゃ!」


ティアマトの言葉に初めて会った時の事を思い出すが、記憶は曖昧なものだった。


『約束、したっけ?』


約束を忘れたり破るのは非常に失礼な為、そういう事をしないように極力心掛けているはずだが...。


あ、そう言えば沙織とケーキ屋デートする約束、したんだっけな...。


叶わない約束だね。


「....。」


ティアマトの返事がなかなかこなかった事に約束ではないと悟った。


『やっぱり約束してないじゃないか。』


よかった、忘れてた訳じゃなかった。


内心自分自身の非でない事に安堵する。


「あんさん、年はいくつになったかえ?」


『女性に年齢を聞くのは失礼だって知ってる?』






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