散らせ散らせ、悪の華
□散らせ散らせ、悪の華
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そこに現れたのは先程会った混沌の女神、ティアマト。
「やっと起きたかえ?」
『ティアマト...。』
「あんさんは罪を守らなければならない。でも力なんて持ってやいない。」
ティアマトの言う通り、杭弥は力なんて持ってやいやしない。
きゅっと拳を握り締める。
「だからあんさんの肉体の一部や持っているものを代償に力をやろう。」
ティアマトの言葉に握り締めていた拳を開く。
『肉体の一部や持っているもの...?』
「そう、例えば腕、足、嗅覚、臓器。色々ね...。」
『...なら、私の時間と死。それから痛覚。』
時間がなければ成長しない。
人間は老いると体が使い物にならなくなってしまう。
それは勘弁したい。
つまりは不老だ。
死がなければ死なない。
つまりは不死だ。
痛覚がなければ痛みを感じる事はない。
死ぬ事がなければ痛みなど邪魔なだけで意味を持たない。
それに思い切った行動に出れる。
「成る程、考えたものね...あんさんの欲するものは何かえ?三つ言いなはれ。」
三つも願いを叶えてもらえるのか。
なんて素敵なんだ。
まるで魔法のランプみたいだ。
『一つは言霊。後の二つはそのうち考えるよ。』
言霊なら言葉の組み合わせにより多くの能力が持てる。
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