散らせ散らせ、悪の華

□散らせ散らせ、悪の華
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拝啓、あの世にいるお父さん、お母さん。


私はナルトと契約を結びました。


時間と死と痛覚が無い分ちゃんと仕事しますよー。


絶対死なせたりしないから...。


契約違反したらどうなるのかは常々疑問だが。


それは今度ティアマトに聞いておこう。


いや、でも怖いな。


私は今、火影室に隣接している隠し部屋にいます。


何故隠し部屋にいるかと言うと、アパートに一人置いておくのは寂しいだろうという三代目の考えから私は一楽のラーメンとおやつ付きと言う事でここにいる事を了承したのだ。


いや、ホント一楽のラーメンは美味しいよね。


隠し部屋に一人残すのならアパートで一人でいるのと対して変わらないと思うのだが。


まぁ傍に置いておけば何かあっても直ぐに対応出きるからかな?


三代目に四代目の話をさせる度、三代目が辛そうな顔をするのを知っている。


時々火影と書かれた笠を深く被るのは、上に立つ者が弱さを見せたくがない為の行為だと言うのだと思っていた。


そして最初彼がそうするのは昔の事に思いを馳せ、自分の無力さと死なせてしまった里の人間の事を思っての事だと違和感を持ちながら思っていた。


しかし四代目の話を聞いているうちに知った。


最初に四代目の話を聞いた時、三代目は写真を見せてくれた。その時にお腹が疼くのを感じた。


九尾が苛ついているのだろう。


そりゃあ自分を封印した四代目を恨みたい気持ちもわからないでもない。


九尾は知能の高い動物だ。


写真と本物違いが分からない筈がない。


それでも反抗的な態度をとる九尾がまるで鏡に映った自分に吠える犬みたいなものだからでおかしかった(馬鹿馬鹿しいって意味で)。


写真に映る男の名前は波風ミナト。


5年前の10日10日の九尾から里を守った英雄。


金色の髪、空色の瞳。


美しいと思った。


ナルトの髪は金色だし、瞳の色も空色だ。


金色にも色々種類がある。


くすんだ金髪、中山一族のように薄めの金色もあればナルトのような濃い金色もある。


火影室にある歴代火影の写真で紹介された四代目を見たところナルトが四代目と同じ色を持って居ることから親子だと仮定した。


そして調べれば里内に四代目と同じ色などナルト以外にはいなかった。


だからすぐにナルトが四代目の子供だと確信した。


お父さんとお母さんの顔を直接見た事はない。


だけど私を...ナルトを愛してくれたのは分かった。


私はナルトの為に、ナルトの体を死なせないように、貢献する。


ナルトの為なら...悪にだってなっても構わない。


それがせめてもの罪滅ぼし。








許されたいが為の自己満足



(どうか私を許さないで。)


(許されない限り私は被害者でいられるから。)








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