散らせ散らせ、悪の華
□散らせ散らせ、悪の華
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ゆっくりとした足音が聞こえてきた。
古いアパートと言うこともあって足音が丸分かりだ。
歩くリズムや音の高低で大抵誰だか分かる。
いや、このアパートに来る人間なんて限られているのだが。
この足音は...、
ドアがノックされた。
迷う事無くドアを開いた。
嫌がらせに思い切って開いてドアでぶつけさせるのも面白そうだ。
だが私は、この人に感謝しなければならない。
彼は私の生活費をくれて、まだ赤ん坊な私に薄幸に世話役をつけさせた張本人なのだから。
私が...ナルトが5歳と言うだけあって無駄に構ってくれる。
転生後の年齢を含め25歳の私にはいい迷惑だ。
5歳のナルトは嬉しそうだが。
まぁ里の人間が最近攻撃してくる回数が減ったのは彼のお陰だろう。
三代目火影、猿飛ヒルゼン。
火影の名は伊達じゃないって事か。
それにしても猿飛、かぁ...。
忍者と言うこともあり猿飛なのは分かるが、何故にヒルゼン?
いや、彼が猿飛佐助って言うなら嫌なんだけど...。
話は変わるが基本的に私は日常ではナルトに体を明け渡している。
元々は彼自身の体だし。
私が体を使用出来るのは里の人間がナルトに暴力や暴言を振るうときだけだ。
5歳児の成長においてこれは教育的によくない。
嫌がらせを受けるときは私が肉体を使用している時で、ナルトは言霊で眠らせている。
だってこれをナルトが知ったら嫌がるでしょう?
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