散らせ散らせ、悪の華
□散らせ散らせ、悪の華
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三代目は最近のナルトの様子が気になり、水晶にチャクラを込めて水晶を覗き込んだ。
そして包丁を持った男がナルトに向かって包丁を振り下ろそうとしているのを水晶越しに見た。
三代目は慌てて立ち上がった。
ちょうどその時、1日任務で居なかったカカシが報告の為、火影室に現れた。
忠誠を誓う騎士のように片膝を立て、頭を垂れる銀髪の忍。
三代目にとってカカシは里内で九尾を封印されたナルトを化け狐として見ない、九尾と同一視しない数少ない信頼の置ける忍だった。
「カカシ、すぐにナルトの元へ向かうぞ!」
報告書の提出をしにきたのに何故かカカシはナルトの住むアパートまで強制的に何がなんだか分かんない状態で連れて来られた。
蹴り倒されたドアの向こうは静まり返っていた。
ナルトが死んでしまったかもという疑念が確信に近付く。
到着した彼等が見た物は地に倒れてる里の人間達と気絶しているのか眠っているのか死んでいるのか分からないナルト、それをベッドに寝かしている緋色の髪の女の後ろ姿。
状況から言って緋色の髪の女が里の人間が地に伏せている原因なのは一目瞭然だった。
「何奴じゃ!?」
三代目のいつもの優しい瞳はどこへやら。
顔は険しいものだった。
緋色の髪の女...杭弥はゆっくりと振り返った。
顔は暗さの所為で見えなかったが、瞳は翡翠だった。
「「!!?」」
二人は驚いた。
緋色の長い髪と翡翠の瞳と言う組み合わせに。
知っている、その二色を。
「クシ、ナ...?」
発せられた名前は杭弥の知っているもので。
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