散らせ散らせ、悪の華

□散らせ散らせ、悪の華
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―――なぁなぁ、杭弥はこのあいだみたいにこっちにこれないってば?


唐突に出たナルトの言葉に杭弥はきょとんとした。


この間と言うのは襲われたあの日だろうか?


―――んー、誰も見てない時ならね。


最近は三代目が私を探してるだろうし、姿を現すのは得策とは思えない。


捕まれば色々尋問されそうだし。


まぁ隠し事なんてそのうちバレてしまうのだから隠したって仕方の無い事だが。


だが、仮に話すとなるとどこまで話していいやら。


芋づる式に色々話さなくてはいけなくなったら困る。


私は謎の女でいたいのだから。


謎の女...なんて素敵な響き!


―――でもこのあいだはほかのひとがいたってばよ。


先日の恐怖を思い出し、ナルトは身を堅くした。


―――あれは例外。ナルトが危なかったからだよ。ナルトを死なせないよう守るのが私の役目だから。


約束を忘れない、破らないが私のモットーでありエゴだ。


契約だって約束とたいして変わらない。


契約書があるかないかの違いなんだから。


―――おれがまもるっていったのに...、


しゅんとうなだれる姿は年齢相応に見えて可愛らしい。


―――ナルトの成長を楽しみに思ってるよ。まぁ、あんまり強くなられちゃうと私がいる意味なくなっちゃうんだけどね...。


この子が、ナルトがひとりで生きていけるようになれば、私はお払い箱だろうか?


それは寂しいなぁ...。


―――じゃあ、おれがつよくならなければずっといっしょ?


―――んー...きっとそうだろうね。ずっと一緒。いつも傍にいるよ。


傍から離れられないし、目を離せない。


杭弥の傍にいると言う言葉を聞いてナルトは笑みを浮かべた。


―――約束だってばよ!!


約束、か...。


私のモットーとエゴにより、その願いを全うしなければ。


私は君の騎士(ナイト)であり奴隷なんだから。








すべては君の思うままに



(いつも君を想うよ。)


(私は君の為に存在し続けるよ。)








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