散らせ散らせ、悪の華

□散らせ散らせ、悪の華
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誰も人が見ていない事をいい事に杭弥とナルトは部屋で寛いでいた。


最近では紅茶なんて洒落たものまで入れられるようになった。


味が時々変わるものだから保証は出来ないが。


「なぁ、杭弥はどうしておれの傍にいてくれるんだってばよ?」


どうして、と聞かれても困るものである。


一言で言うならば、


『君の為だよ、ナルト。』


すべてはナルトの為。


「おれの、ため...?」


『そう、君の為だよ、ナルト。』


今思えば何故自分が選ばれたか分からなかった。


杭弥じゃなくても他にいくらでもいるじゃないか。


これもまた生き物のさだめというやつだろうか?


誰もが生まれる事を選べる訳がないというのに。


だがこういうちょっと特別な事に対して免疫がない私にとっては夢のように思えた。


客観的に見て、楽観的に捉える事が出来る。


すべてが自分の人生に影響をもってないと思えたから。


だから生きていた頃だって人生を楽しんでいた。


なのに死んだ。


私は死んだのだ。


その客観的価値観や楽観的思考が招いた結果なのか。


『私はナルトを死なせない為に生きている。』


いや、果たしてこれは生きていると言えるのだろうか?


『私は出来るだけ貴方の望みを叶えてあげたい。友達になりましょう、親友になりましょう、指導者になりましょう、先導者になりましょう、仲間になりましょう、共犯者になりましょう、奴隷になりましょう、下僕になりましょう、騎士になりましょう...貴方が望む関係も貴方が決めて。ナルトの為に私は心を捨てましょう、刄を振るいましょう。その為に私は存在しているのだから。』


望むならば、何もかも捨てましょう。


私は、ナルトだけを守ればいいのだから。










来世があったって仮になくたって今はどうだっていいんだ



(さぁ無茶しよう、そんで苦茶しよう。)


(二つ合わさって無茶苦茶にしよう。)








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