散らせ散らせ、悪の華

□散らせ散らせ、悪の華
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言霊を言おうにもそんな暇はなく、ナルトを庇うように覆い被さるしか出来なかった。


背中に突き刺さる刃。


滴る血液とその匂い。


ああ、私の好きな匂いだ。


『大丈夫、ナルト?』


「杭弥っ!!杭弥っ!!ゃ、やだ、杭弥!!ひとりにしないで!」


目の前で泣き喚く子供にどうしようかと戸惑う。


だから子供は嫌いなんだよ。


すぐ泣くし、弱いし。


何したいのか分からないからイライラする。


『私、泣く子は嫌いだよ。』


口から出た言葉は酷く残酷で。


子供に対する嫌悪感をついにナルトにぶつけてしまった。


ホントはそんな事を言いたい訳じゃないのに。


「ごめ、なさっ...、きらいに、ならな、いで...、」


その言葉を聞いて酷く後悔した。


『うん、辛く当たってゴメン。』


常時身体能力を上昇しておこうと少し反省した。


クナイを投げた本人のイタチは喫驚した。


「何故避けなかった?ナルト君には当たらないように投げたつもりだが。」


三代目から一般人を容易く倒すと聞き、そこそこ実力のある人間だと思った。


だからこれくらい避けられると思って投げたクナイだったのに避けなかった。


避けられてもナルトには当たらない様にちゃんとコントロール出来ているのにだ。


『そんな暇、くれなかった癖に。それに殺す気だったかもしれないでしょ。』


嫌味っぽく言う。


完璧な敵対心。



「お前は何者だ?何故ナルト君に付きまとう?」





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