思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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宙を舞う紙がひらひらと舞い、軽い音を立てて落ちた。
やってしましました。
え、何をやっちゃったかって?
大丈夫、殺人なんてしていない筈です。
私は少女漫画の読み過ぎでついにそれを現実になる能力を手に入れた...訳ではない様ですね、はい。
私の頭の中少女漫画繰り広げてます。
例えるなら一昔前のキャピキャピ絵柄なあれです。
だがこの展開は個人的にはおいしい、プマイ。
ああ、プマイの使い方はここでこそですね。
私、遂に男の子を押し倒しちゃいましたね。
しかもなんとも階段から落ちるというベタな手で。
芝居がかっている事は楽しいです。
でもマンガと少し違うのは事故ちゅーではないという事。
え、自己中?違います違います、自己中心的じゃなくて、予測できない相手との不慮の事故と称すべきキスの事です。
というか現実の事故ちゅー凄く無理があると思います。
だってあんな触れるだけのキスなんて絶対無理です。
階段から落ちる衝撃なのですから、絶対どちらかが唇を切るだとか、歯が折れちゃうとかあると思います。
その点に関しては事故ちゅーが無いのが不幸中の幸いです。
え?なら別にキスはいいのかって?
痛くなければ大丈夫です、多分。
「ごごごごめんなさいっ!!」
私は素早く彼の上から退き、頭を下げた。
だって怖いんだもん。
だもんだとか言っても私だから全然可愛くないんだもん。
だもんとか楽しいな、これ。
こういうのは下手にいい訳するとかえって状況を悪化させるだけだと知っているのでいい訳はしません。
そう簡単にペコペコ頭を下げるのはプライドが無いみたいだ?
いいえ、私は自分の間違いを認めるプライドがあるのですっきりっ!
ごめんなさい、出しゃばってしまいました、でも言いたかっただけです、すみません。
でも今回ホントに自分に非があったので謝っているんです。
階段と言うのは元々走ってはいけないものだ。
それは理解している。
そしていけない事だと分かっていながらも走って階段から落ちて、彼に巻き添えを喰らわしてしまった私が100%悪いです。
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