思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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私には悩みがある。

あ、別に恋の悩みとかそんな乙女な話じゃないです。

どっちかと言うと生きるか死ぬかの瀬戸際に立っているときの心情です。

私の手の中には剣城君の生徒手帳が。

いや、先生に言って渡してもらうってのもあるけどね、あるけどさ、こういうのって直接渡した方がいいと思うんだが、どう思います?

うん、やっぱ直接だよね。

直接渡しに行こうと思う。

いや、待って、私剣城君のクラス知らないし、一年生と言うことしか知らない。

いや、かろうじてサッカー部に入っているとかくらいしか…。

うん、放課後とかにしよう、うんそうしよう。

どうせ私帰宅部だから急ぐ事もないんですがね、家でネト充とかオタ充するだけなんですがね!

かっとビングだ!私!!

かっとビングが何かって?

そりゃあ今の某カードゲームの主人公の口癖?決め台詞?的なやつですよ。

本人いわくあらゆる困難にチャレンジするスピリットだそうですよ。

いや、それよりも私お昼何処で食べるか悩む方が先じゃないか?

生徒手帳に関しては今すぐ計画じゃないんだから。

放課後サッカー部に剣城君がいないか尋ねてみたが今日は来てないそうだ。

くそう、一番乗りで来たつもりが一年生の方が早かったか…。

というかあの子早いな。

だって私よりも早く来て、尚且つ既にユニフォームを着ているなんて何者…!?

もうパス練とかしてるし。

私はマネージャーらしき女の子に声をかけた。

「あの、すみません」

「はい、えっと…?」

「剣城君はいますか?」

剣城の名を聞き、彼女は驚いた顔をした。

それはパス練していた一年生二人にも聞こえた様で。

「剣城に何か用があるんですか?」

凄く不思議そうな、そして意外そうな顔をされてしまった。

「あ、いないならいいです」

そっか、剣城君お友達いないのか、そっかカワイソウに。

私が言えた事じゃないけど…。

ああ、どうせなら私がお友達になってあげたいというか、お友達になって欲しい…。

「練習の邪魔しちゃってすみません」



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