思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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私は小さくお辞儀して立ち去った。

くそう、先に下駄箱をチェックするべきだったか…。

再び剣城君に生徒手帳を返す旅に出なくては…。

校門を出た所で彼を見つけた。

あんな目立つ服装のお陰で見つけやすかった。

だがどう声をかけようかと迷っていればどんどん彼は進んでいく。

ああ、見失ってしまう。

なんとなく距離を置いて彼の後をつけていく。

あ、なんかこれstk(素敵じゃない、ストーカーの方だ)っぽいですね。

これストーカー規制法で訴えられないかな?

人前で話しかけるなんてなんか申し訳ないし。

うん、だって私といるの見られるのはきっと恥だ。

剣城君をストーキングしていれば、剣城君は病院に入っていった。

病院…?

まさか、昼間私が剣城君を下敷きにしてしまった所為で怪我を...。

ああ、私は人様に怪我をさせてしまったのか、ますます申し訳ない。

そして私今治療費を払える程のお金ないよ。

というか生きていてごめんなさい。

そして彼はそんな奴の顔二度と見たくないだろうな。

うん、生徒手帳渡して、直ぐに帰ろう、そうしよう。

そう決意して病院の敷地に足を踏み入れた。

やっぱ剣城君は簡単に見つかった。

木陰で車椅子の人と話していた。

心なしか柔らかい表情をしている。

で、デレただと…!?

ツンケンしてたんじゃないのか!?

あ、拗ねた。

可愛いぞ。

いや待て待て。

これ待ってたら時間いつになるか分んないぞ、それを待つなんてなんか話全部聞いていたみたいで嫌だな。

よし、勇気を持て、私!!

そうだ、かっとビングだ私!!

ハッスルする、略して、ハッする☆なんてね!

勿論星は仕様だ。

「つ、つ、剣城君!」

私は剣城君に思い切って声をかけた。

告白するときの女の子の気持ちというのはこんなものかと、なんとなく思った。

別に私は告白するわけではないが。

愛の告白じゃなくてどっちかって言うと罪の告白?

私にしてはだいぶ大胆過ぎる行動だ。

私に気付いた剣城君は凄く驚いた顔をした。

その表情は直ぐになんでてめぇココにいるんだよ的な睨みに変わった。

剣城君は座っていたので目線的には私の方が上なので、なんだか車椅子の人の番犬みたいで妙に可愛かった。



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