思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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「京介、知り合いか?」

車椅子の人が言う。

そして彼と目が合う。

「あ、えっと、はっ初めまして、織武泉です!!」

そう言ってぺこりと勢いよく頭を下げた。

あれ、よく考えてみれば私、剣城君に名前名乗ってなかったな。

「京介の兄の剣城優一です」

そう言って柔らかく微笑んだ彼、剣城優一さん。

きょ、兄弟…だと…!?

しかも全く違うタイプの兄弟とか…素敵。

「で、あんたはなんでここにいるんだよ?」

話に入れてもらえなくてやさぐれていたのね、ごめん、ちゃんと話に入れてあげるから、うん。

しかしなんて説明しようか…。

「えっと、生徒手帳、落としたでしょ?だから届けに…、」

私はおずおずとポケットから生徒手帳を出して剣城君に渡した。

兄弟揃うとどっちも同じ名字だから紛らわしいな。

生徒手帳を剣城君は乱暴に受け取り(奪い取ると言う方がしっくりくる)、ポケットに突っ込んだ。

「学校で渡せばいいだろ」

あ、もしかして家族と仲良くしてるの見られたくないタイプか。

悪になりたがる年頃の男の子ですね、反抗期ですね。

でもブラコンなんだよね。

そんなにお兄さんが好きか、そうか。

それ萌える。

ギャップ萌えぷまいわ。

「だって渡そうとしても見つからなかったから…」

思わず口からでは反発の言葉に剣城君は舌打ちした。

それを横で剣城さんが咎めていた。

やっぱり紛らわしい。

「あー、じゃ私もういきます。なんか邪魔しちゃったみたいで...すみませんでした!」

私はまたお辞儀すると逃げるように立ち去った。

き、緊張したぁ…。

…あ、お礼と謝罪言うの忘れた。

まぁ、また明日とかでもいっか!





ストーカーとブラコン


(デレた剣城君とか見れたからまぁいっか!)

(ギャップ萌え!)



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