思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
1ページ/2ページ
お昼休みに差し掛かり、私はお弁当を持って剣城君を探した。
屋上かと思えば誰もいなかった。
あれ、いない。
「おっかしーなー。大抵の不良って言うのは屋上にくると思っていたんだが…」
私は屋上から下を見下ろし、やっと見つけた。
中庭の木の下とは…新しい不良だな。
私は屋上から一階まで駆け降り、中庭を目指した。
私は中庭の木陰で購買で買ったらしいパンを食べようとしている剣城君を見つけると頭を下げた。
「階段から落ちてごめんなさい、助けてくれてありがとうございます。そして昨日の放課後の件につきましてはホント不快な思いさせて申し訳ありませんでした深く反省しております故、二度とあのような事がないよう気をつけますだから許して下さい殺さないで下さい!!」
「…あんた俺をなんだと思ってるんだ」
顔を上げて見ればなんか怒りを通り越して呆れたような、そんな顔。
「え、おしゃれ番長?」
「は?」
「え、だって制服の着こなしおしゃれだし」
褒めてやればなんか呆れた顔された。
そして急に表情が真剣なものに変わった。
「昨日の事、誰にも言ってないよな」
「言わなければ私を殴らない方向でお友達になってくれますか?」
「なんで殴るんだよ。…友達?」
その辺のチンピラと違って女には手を出さない高潔な不良ですか、そうですか。
めっちゃ紳士じゃないか!
え、なに?レディには優しく?
いや、待て私はまず女としてみてもらっているのか?
もしかしたら私に触りたくないパターンで殴りたくないとかそう言うパターンか、そうか!!
それなら納得だ。
「だって私友達って言っても(幼馴染の二人とは)ほとんど話さないし、基本誰にも構ってもらえないから…いや、構ってもらってるよ?パシリとか先生のパシリとか、すれ違いざまに暴言吐かれたり、無限病原菌製造機鬼ごっこ限定(笑)とか。あ、お友達嫌ならいいんですよ、別に」
「あんた、可哀想な奴だな…」
流石だ、哀れみの言葉が言葉の暴力に聞こえるぜ...。
だが見た目通りでこっちは美味しいぜ。
不良でSで口悪い、態度デカイ、ついでにツンデレでブラコンときた。
素晴らしいじゃないか!というか蘭丸君も男子の中でも色白な方なのに、蘭丸君より白いってどういう事だ。
え、なに?この子ヒッキーだったの!?箱入り娘だったの!?
まさか、変な奴に目をつけられないようにそんな格好を…!?
.