思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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体が痛い。
でも具体的に述べるなら、お尻、腰、背中、頭も痛いかも。
あと咄嗟に手すりを掴もうとして失敗して打ちつけた右腕も痛い。
意外と足は階段落ちるまで擦ったりしたくらいだからそれ程痛む訳ではない。
それに以前階段から落ちて脛から足首にかけて切って流血沙汰にした事もあるしね、大丈夫だ、問題ない。
「帰ろう」
ゆっくりと体を動かし、痛みを確認する。
きっと明日には大丈夫。
私は荷物を持ち直し、一度ポケットの携帯を見た。
大丈夫、画面とか傷付いてない。
よかった…。
ほっと胸をなでおろした。
ゆっくりと階段を降りながら、校門に向かって歩いていく途中、剣城君がサッカー棟の方から歩いてくるのが見えた。
周りを見回しても誰もいない。
もう一度剣城君を見れば、目が合う。
「サッカー部は?練習しなくてもいいの?」
まぁ、剣城君ほどの実力があれば練習は必要ないだとか自惚れているんだろうけど。
「あんたは?」
「あー、うん、ちょっと用事があって」
「怪我するような?」
剣城君は少し険しい顔をしていた。
「え?」
「足、赤くなってる」
慌てて足を見れば擦った所が赤くなっている。
「あ、これは階段から落ちた時に擦りむいて…」
「ホントは落とされたんだろ」
驚いた。
どうして落とされたと分かったのだろうか?
嘘が、通じないなんて…。
「な、なんで、」
「初めて会った時も、あんた階段から落とされただろ?」
う〜ん、落とされたのかな?
私的には足ひっかけられたのを回避して、階段にて足の置き場を失敗したと思うんだけどな…。
「その節はすみませんでした」
私は頭を下げた。
「あんた、いじめられてんの?」
その言葉に私の肩が震えた。
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