思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
2ページ/2ページ
いじめられてるなんて知られたくなかった。
ゆっくりと顔を上げ、彼の様子をうかがった。
うん、なんだかとても不機嫌そう。
私は黙って小さく頷いた。
ああ、剣城君は私の事どう思うのだろうか。
剣城君のタイプは弱いやつとか嫌いそうだ。
あとウダウダしているのも嫌いそうだ。
私嫌われるフラグか死亡フラグしかないな。
「あんたを庇ってくれる奴とかいないのか?」
庇ってくれる…う〜ん、拓人君と蘭丸君は多分、庇ってくれる。
庇ってくれるとか私の自惚れにしか聞こえないな…。
でもそれは私のいじめを認知出来ていなければならない話で。
よく考えて見れば、私のいじめは一部の人にしか知られていないというか、うん。
情報公開制度が取り入れられてなくて、激し過ぎるプライバシーの保護をされている状態だからほとんどの人が知らない。
私と、いじめの加害者と隠す人しか、知らないのかもしれない。
ああ、先生の事いじめスルーなんて呼んでごめんなさい、よく考えてみれば先生知らないだけでした。
すみません。
被害者面して目の前の事しか見えてませんでした、ごめんなさい。
最悪だ、悲劇のヒロインぶって何もしないとか私臆病な卑怯者じゃないか。
「多分、今私の現状を知っている人で庇ってくれる人は、いない」
ああ、私、かなりの盲目だ。
「お願い、誰にも言わないでっ」
私は剣城君に頼みこんだ。
助けてなんて言わないから、誰にも言わないでほしい。
特に拓人君と蘭丸君には。
「…俺が守ってやろうか?」
剣城君の言葉に食い入るように剣城君の顔を見つめる。
「はい?今何と?」
「だから俺が守ってやろうかって言ったんだよ」
余裕そうに不敵に笑む彼。
不覚にもときめいた。
顔が熱くなるのを感じた。
剣を持つ騎士
(染めた頬は君の所為だよ。)
(別に冷まさなくてもいいけど。)
.