思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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「失望したって事は私に何かを期待していたってことだよね?」
その一言で剣城君の脚が止まった。
もうひと押し。
「私にどうして欲しいの?」
ゆっくりとこちらを見た彼。
「俺に関わるんじゃねぇ」
睨まれてしまった。
だが、私は怯まない。
関わりを断つ事が彼の望みじゃない事は確かだった。
断つならもっと早くにできたはずだ。
バクテリア程度にしかみられていなかった私との関わりなど断つもクソもないが。
おっと失礼、口が悪かった。
「嘘吐き」
ゆっくりと彼に歩み寄り、堂々と言ってやった。
内心いつ殴られるのかとひやひやだ。
「ホントは深入りするような人との関わりが怖いだけなんでしょ、裏切られない確かな確証が欲しいだけでしょ、裏切られる前に信じるのをやめただけなんでしょ?」
私は彼の目を見つめて言った。
きっと彼は長い髪で隠れた私の目なんて見えないのだろう。
「なんで俺に付き纏う?俺は雷門サッカー部を潰そうとしてるんだぜ?」
「それ、初耳なんですけど」
てっきり私は助っ人的にフィフスセクターとか言う組織がよこしたとばかり…。
「あんたホントなんも知らないんだな」
ちょっとバカにされた様に気がしたが、気にしないよ。
「次の試合、見に来いよ。雷門サッカー部が潰れるのを、あんたの幼馴染が傷付く姿を見せてやる」
剣城君は不敵に笑った。
背筋がぞくりとした。
剣城君はくるりと私に背中を向け、また歩き出した。
聞こえはなんだか少女漫画で見る、男がヒロインにカッコイイ姿を見せたい的に聞こえるが、そんな甘酸っぱい可愛いもんじゃない。
実際は重たくて、ドロドロした感じ。
「他人を傷付けて、私から離れるのを待ってるみたいだけど私、諦めないから」
悪になって嫌われ者演じているんでしょ?
知っているんだから私。
嫌われ者の役割はそれまでバラバラだった人たちを団結させる事だって。
生贄なんだって。
やっぱ現実は難しい。
攻略本とか売っていないのが厄介だ。
誰か現実攻略の仕方を教えてください。
今度の試合か…。
土曜日はイベントで、その後は試合とかハードスケジュールじゃないか!
人間関係の攻略本
(それがあれば、)
(苦労しない筈なのにね。)
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