思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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剣城君が囲まれてしまった。
剣城君にワザとボールをあててる。
…ああいうの痛くないのかな…?
小学校の頃ドッジボール(たまにドッジかドッヂでどっちが正しいのか分からなくなる)やって男子のボールが腹に当たって呼吸停止しかけたからね。
しゃっくりしながら咳するやつのエスカレート版?
腕力よりも脚力の方が人間は強いから普通に考えて中学生男子の脚力怖いわ。
抜け出せたかと思えばまた剣城君が囲まれてしまった。
「剣城君…」
同じ事の繰り返しかと思えば違う。
剣城君が拓人君にパスを出した。
つ、剣城君がデレた…!!
しかも勘違いするな、仲間になった訳じゃない…だと…!?
完全にツンデレが板について来てる…。
流石俺の嫁。
あ、俺の嫁とか勘違いしないでよね!
別に結婚とかしている訳じゃないんだからね!
…自分でツンデレ風に言っても全然萌えないや。
自給自足無理だわ。
万能坂が攻撃に転じてきた。
ああ、これ以上の失点はよくない。
三国先輩がなんとかゴールを守っている。
「三国さん!!」
隣に座っていた蘭丸君が立ちあがった。
隣でいきなり叫ばれると吃驚するわ。
「す、座ってないとダメだって!!」
何度言えば分かるんだ蘭丸君!
聞きわけが悪いぞ。
「そんな身体で試合に出れば二度とサッカーができない身体になっちゃいますよ!!」
「そんなことは分っている!でもこのままじゃ...、」
分かっているなら座っててよ…。
朱色の長い髪の子が立ちあがった。
確か去年同じクラスだった、瀬戸水鳥さん。
瀬戸さんはピッチギリギリの所まで近づいた。
何をする気なんだろう?
あんまり近づくと危ないと御坊んだけど。
「お前ら!アイツらのサッカー見てなんにも感じないのかよ!?」
いきなり大きな声を出されたものだから驚いた。
瀬戸さんは大声でフィールドにいるメンバーに呼びかけた。
ああ、彼女も素敵だな。
そして彼女の言葉にそれぞれが動き出す。
やっぱり、すごい、人の心を動かせるなんて、やっぱり凄いや。
心をひとつに、みんなで力を合わせてなんて、こんなの、なかなか見れなかったのに…!
そして剣城君にボールが渡る。
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