思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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朝学校に行くのがどうも嫌だった。

いや、私基本的に学校好きじゃないよ?

パシリとか陰口とかパシリとかばっかだったからね。

でもそれも剣城君のお陰でまともになったんだもんね。

まともって言ってもただのボッチだからね。

それも冷戦で更なるボッチへとなり下がっただけだからね。

「泉」

名前を呼ばれ、振り返れば拓人君と蘭丸君。

なんか深刻そうな顔だ。

「な、何…?」

「話がある」

拓人君は一度周りを見てから私を改めて見た。

まさか、私のいじめ(られている)がバレたのか!?

私が裏切った(と思いこんでいる)からって私のこれ以上ない秘密をバラすなんてなんて悪どいの!

ゆっくりと拓人君が口を開いた。

「剣城とどういう関係だ」

泉は驚いた。

予測した言葉とは全く違うものだからだ。

まるで夫が妻に浮気しているのかみたいな疑いをかける定型句のようでもう笑いが出そうだ。

だが耐えた。

よくやった私。

確かに私のような地味女が剣城君と接点があるなんてなかなかじゃないが考えにくい。

いや、パシリとかならありえる、うん。

「どういう関係かって言われても…冷戦中かなぁ、うん。多分冷戦中のネットで知り合った友達みたいな感じ」

奇妙な泉の表現に納得できないという様な顔をする二人。

なんでそんな顔するの、どうしてそんな目で見るんだ…!

「泉、剣城とは関わるな」

「どうして、」

「剣城は危険だからだ」

危険、何が?

優一さん(どっちも剣城だから優一さんを剣城さんと言うのはなんだか紛らわしいので勝手に優一さんと心の中で呼んでいる)と一緒にいる時の剣城君を見れば危険だなんて思えないだろう。

思わない。

だけどそれを言う事は禁じられている。



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