思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
2ページ/3ページ




「ハァ!?」

剣城君は顔を赤くした。

意外と照れ屋なんだね、不良で照れ屋とかつぼだ。

萌えるハアハア。

「何勘違いしてるの?肩揉みだよ肩揉み。誰も胸を揉むだとか言ってないよ?」

私はニヤニヤとしながらしっかりと剣城君の赤くなった顔を記憶してやった。

以前これを拓人君と蘭丸君で試した事ある…正確には二人が原因でこの意地悪な台詞を思いついたのだが。

二人とも赤くなっていたのを覚えている。

可愛かったよ、うん。

どうせならビデオカメラとイベント用のカメラが欲しい。

仕方ない、携帯のカメラで我慢してやる。

私は流れるような動きで携帯をポケットから出し、カメラを起動させ、シャッターを押してやった。

剣城君の照れ顔、ゲットだぜ!

勿論画像がブレる事はない。

カメラを紐にくくり付け、ヨーヨーの様に扱い、写真を撮れる私がこの程度で写真をブレさせるわけがない。

これは私の変な特技だが。

「今の盗撮だ!!」

剣城君は一瞬動きを停止したが、直ぐに怒りをあらわにし、怒りだした。

許可なく写真を撮られれば誰だって怒る。

私は勿論それを分かっている。

分かっていてやるのだから性質が悪いのですがね。

「いいえ、カメラ目線だったので問題ないです!」

「俺は許可してねー!」

「許可なんて必要ない、私は奪うだけだ!」

だから盗撮というのだが。

「いいから携帯貸せ!」

剣城君は私に近付きながら手を差し出す。

てっきり強引に奪おうとすると思ったのに。

それにしても剣城君の指細いというか、女の子の手みたい...。

ごめん、つい。

ああ、でも紳士的に手を差し出したって携帯は渡さないよ!

携帯を握り直し、一歩下がる。

「それはできないなー」

そして言い終えると同時にくるりと体の向きを変え、走り出す。

「おい!」

剣城君も慌てて追いかけてくるのが足音で分かる。

私の思っている以上に剣城君は足が速く、ほんの数秒で捕まってしまった。

「あんた足遅」

「剣城君と一緒にしないで。それとも自分のスピードに自覚なしの天然さん?」

勿論天然は悪口だ。

息が全く乱れてない剣城君と肩で息をする私。

もう少し長く鬼ごっこが続くと思ったのに...。

私基本的に鬼ごっこに参加できなかったからね。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ