思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
1ページ/3ページ






私は学校の帰りに河川敷の近くの道を歩いていた。

ただ学校から家に帰宅するつもりなら河川敷は通らない。

目的はバイト先から家への帰宅だ。

私は駅前のカフェでバイトしてる。

別名、家の手伝いという奴だ。

本当はメイドカフェでバイトとかしたかったんだけど、労働基準法の法律上15歳になってから3月31日を過ぎてからじゃないとバイトが出来ない様になっているのだ。

所謂高校生から、という広告はこの為だ。

可愛い制服でバイトが夢だったのだが、仕方がない。

そういう事で私はお父さんに頼んでお手伝いという肩書きでバイトをさせてもらっている。

お父さんは私に甘いから直ぐに了承してくれた。

お母さんは渋々だが、お父さんがいいと言ったなら仕方がないと、お母さんはなんだかんだ言ってお父さんに甘いから。

勿論カフェの制服は自分で購入したメイド服だ。

たまに親ばかなお父さんが私を盗撮する事があるが、もう気にしない。

ただ私の盗撮癖はお父さん譲りなんだなとなんとなく思った。

カフェと言っても出されるのは飲み物だけではない。

ちゃんと食事だってできる。

メニューのデザートの中には私手作りのものもある。

中でも蒸プリンは私の自信作だ。

ケーキ屋で売っているプリンよりトロッとしていて、何より甘い。

少し自意識過剰だが、このプリンを食べると、他のプリンが不味く感じる。

それくらいおいしいと自負している。

その為週1で30個限定で作って販売している。

限定という言葉に弱い女性が引っ掛かるように。

最近ではプリンに添えるものを追加料金で色々選べるようにカスタマイズ方針を取り入れている。

どれだけリターン客を呼び込めるかが鍵だ。

お店の雰囲気は白と茶色を基調とした(今時珍しい木製のものが多いのだからその色になってしまうのだが)シックで落ち着いる。

所々にアンティークな物が置いてあるのでそういうものが好きな女性が来ることもある。

オレンジっぽい電球に照らされた木の木目が温かみがあっていいと言ってくれる中年男性もいた。

メイド喫茶には憧れているが、お父さんのお店もなかなか気に入っている。

私は今日は遠回りして帰ろうと河川敷へと向かった。

気分的に川が流れるのを見たかった。

ただちょっとそういう気分になっただけ。

河川敷には先客がいた。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ