思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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ドアをノックする音に顔を向ければ、ガラス越しに剣城君の姿を見つけた。

意外だ。

いくら見た目が不良でも、授業はサボらないと思っていた。

だってゆっちーとかそういうの凄く心配してそうだし。

私は椅子から立ち上がりドアの方に近付く。

「来てくれたんだ」

「あんた何してんだよ」

「リアル青鬼?」

「は?」

剣城君から洩れたのはあまりにも間抜けな声。

そうだよね、ひたすらサッカーに打ち込んできた不良には動画とか興味ないですもんね。

「青鬼知らない?上手な人は鬼を檻に閉じ込められるんですよ。今度実況プレイ動画見せてあげます。恐怖のあまりチビらないでよね」

「誰がチビるか」

怒られてしまった。

全く、カルシウムが足りてないんじゃないか?

いや、でも剣城君背高いし、カルシウムは足りているのかも。

カルシウムのとり過ぎはよくない、去年お母さんがカルシウムとり過ぎで肩に石が出来ちゃったし。

「そうカリカリしないでよ、生理前の女子じゃないんだから」

「なっ!?」

剣城君は一歩引いた。

ああ、どう頑張ったって剣城君は女の子にはなれないし、男の娘にもなれない。

女の子扱いは流石にダメだったか。

「生々しい表現ヤメロ」

なんだ、そっち系か。

「剣城君って意外に理想主義なんだね。女の子はみんな妖精かなんかで、トイレにもいかないとか思ってたりするタイプなんだね、かわいー」

「可愛いとかふざけんな!このまま帰ってやろうか」

「あっ、それは勘弁して下さい、すみませんごめんなさい。だから見捨てないでください」

慌てて平謝り。

もうこれは特技のレベルがV3に達していると思う。




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