思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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私はわずか30センチ程の幅しかない手すりもないベランダもどきの所を一歩、また一歩と剣城君の方に足を進める。
強い風にスカートがパタパタとはためく。
この際捲れるとか気にしない。
私のパンチラなんて誰得なんだ、きっと誰も萌えない。
そして何よりスカートの下に私はルームパンツをはいている!
問題ない!
私は手を伸ばし、剣城君の手を掴んだ。
その時私には剣城君に本当に羽が生えているように見えた。
白じゃなくて、黒だった。
真っ黒なカーテンが風に浚われ、まるでコウモリの羽みたいに揺れていた。
剣城君の容姿から天使とは言い難いとは思っていたけど、これじゃあ悪魔だ。
それが似合ってしまうものだから素敵で、ちょっとおかしかった。
剣城君は私の守護天使じゃなくて小悪魔ちゃんだ。
私が笑っていれば、剣城君は不思議そうな顔した。
「なに笑ってるんだよ」
すごい、私口元しか見えてない筈なのに笑っているとか表情分かるの凄い。
「やっぱり剣城君はいい人だなって」
私を見捨てないでいてくれた所とかいい人だ。
「あんたはホントバカだよな」
うん、そんなこととっくの昔に気付いているよ。
ハプニングは一日を最も面白く彩ってくれる。
あれ、そう言えばあのまま鍵剣城君に窓から投げて渡せば私普通に外に出られたわ。
救ってくれたのは黒い羽の君
(私に天使なんて美しいものは不釣り合いって事だったんだね。)
(いや、天使だったら天使であの世へのお迎えってことかな?)
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