思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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堅苦しい黒いスーツに身を包んだ男。

聞き覚えのある声。

えっと誰だっかな…?

…ああ、そうだ。

剣城君の電話帳にあった黒木という男だ…私が痛電した…。

若干の声フェチである私が間違える事は少ない。

きっとそうだ。

なんで私の居場所がバレたんだ。

「織武泉」

フルネームで名前を呼ばれると思わなかった。

なんで知ってるの!?

私名乗ってないし、非通知でかけたのに…!!

まさか私のストーカー?

略してstkなの?

やだなにそれ怖い…!

黒い車が追い付き、停車した。

多分車は囮だ。

目的は私の注意を車にして私に接触すること…。

…なんて本格的なリアルstk集団だ…!

私の何を見てそう思ったんだ!

そこを是非とも詳しく知りたい。

まさかストーカーされてその子を好きになっちゃうとかいうやつですか!

近くにいるからそれを恋と勘違いしちゃうやつですか!

なんて幼稚な恋なんだ!

だけど嫌いじゃないぜ…だって幼馴染みに恋するのと一緒だからね。

ああ、幼馴染みへの恋ってやっぱりかわいいよ。

私の幼馴染もかわいいけど!

ヤンデレでもおいしい。

話が直ぐにそれてしまうのは私の悪い癖。

改めて黒木さんを見る。

何処に萌えていいかわからない萌え袖…袖か。

それだけが気になる。

「……どうも」

短くイエスの意を伝え、会釈する。

「話があります」

話がある…その言葉のままの意味でただ話がしたいなんて事じゃない事は今時小学生だって知っている。

一般的に大事な話がある時に人を呼び出すのに使う言葉だ。





stk!?やだなにそれこわい



(言っておくけど、)

(貴方みたいなおじさんが萌え袖したって全然萌えないんだからね!)




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