思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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通された部屋もやはり薄暗い。

前方に奇抜な服の男が1人座っていた。

誰だろう?

かなり色っぽい服装だ。

まさかホスト!?

それともカレンダーの撮影会でもする気なのかな?

まさか私の撮影技術が認められていて、今日はその撮影会とか!?

うわ、超嬉しいっ!!

「面白い」

面白い?何が?

…私がか。

え、それって私が変人って事?

面白いって言われたの初めてだわ。

いつも不愉快とかうざいとかばっかだし。

私はどうやら撮影で呼ばれた訳ではないようだ。

「織武泉…随分と剣城京介に執着しているようだな…」

そりゃあまともな友達は彼だけですからね。

「剣城はフィフスセクターのシードだ」

「それは知ってますよ」

剣城君も拓人君もシードって単語言ってたよね。

後でウィキで調べたら種子って出てきちゃったり…何?種まきのこと?どんな下ネタよ。

あとはなんか有名な惑星戦争のどっかの首都の名前とか出てきちゃったし…よく分らなかった。

あれか、結構極秘事項なのか…。

「剣城は兄の手術費の為に動いている。剣城もまたそれを望んでいる。一生働いても稼げるような額ではない。お前がどうする事なんて出来ない」

それはつまり何も出来ない。

脳裏にゆっちーの笑顔が浮かぶ。

胸の前できゅっと自分の手を握り締める。

悔しい。

確かに私はサッカーの事なんて殆ど知らないし、何も出来ない。

「フィフスセクターがどういう組織か知っているか?」

「…サッカーを管理している?」

管理ってなんだ管理って。

「サッカーの勝敗をも、だ」

勝敗を管理?

それってつまり八百長ってこと?

いや、お金をかけているわけじゃないから違うのか。

「こんなの、絶対おかしいよ」



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