思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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私はマイダーリン(笑)ことイシドさんの所に赴いた。

勿論アポ取ってないので止められたがそれは私のほぼ本気の抵抗によって邪魔者を振り払った。

「言いたい事があるので言っておきます。貴方はなんて嫌な奴なんだ!第二に貴方はなんでそんなに嫌な奴なんだ!」

「…何の話だ」

「シラを切るつもりなら顔面に携帯投げつけますよ?」

私は剣城君に破壊された携帯を投げつけた。

狙いは勿論無駄に整った顔だ。

残念な事に携帯は空中分解して方向がズレ、当たらなかった。

言った傍から携帯を顔面に投げつける辺り自分でも自分が嫌な奴だと思った。

「電池パックの所にいれましたよね?追跡装置ですか、それとも盗聴器ですか。どっちにしろ女の子の私生活を覗くなんてやめてくださいよ」

「ハイレベルの裏切り行為には細心の注意が必要だ」

それは私を疑うという裏切り行為の事だったのかもしれない。

私はてっきり私の雷門に対する裏切り行為の事かと…。

どちらにせよ…、

「もう遅いですよ。私は剣城君とフィフスセクターに反旗翻す恋人同士になりますよ。ということでサヨナラダーリン」

最後まで呼び方を変えないのが私だ。

そしてどんなジョークも華麗に無視されてきた私だからこそ成せる技。

自分の存在を軽視出来なきゃこんな事やったりしない。

私は部屋を出ようとイシドさんに背を向けた。

いきなり部屋に入ってきた人にぶつかり、床にしりもちをついてしまった。

ダサっ!私ダサ!!

かっこつかないわ…。

ぶつかってきた人は私に謝罪もなく、ましてや手を貸そうともしない。

なんて酷い人…!

「聖帝に会いたいという者が」

顔を見れば(前髪で目元が見えないが)さっき私を止めようと追いかけてきた奴だ。

「入れてやれ」

はい?

私がいるのに他の人呼んじゃうんですか?

私の存在無視ですか、そうですかちくせう。

そうだよね、さっきさよならを告げたばかりですからね。

ドアが開き、そこにいたのは知っている顔。

円堂監督。

やばい、これはヤバい。

どれくらいヤバいかというと剣城君に携帯が見つかった時よりもヤバい。

円堂監督は私を見て驚いた顔をした。

そりゃそうでしょうね。

まさか私がスパイだとは思わなかったハズだ。

スパイなんてカッコいいものとは思えないが。

この場合私がこの場に合っていないからかもしれない。

私は円堂監督と目が合った瞬間に視線を落とし、左にを反らした。

勿論反射的なものだ。

この感情は罪悪感だろうか。

権威のある人は苦手だからだろうか。

私は直ぐに立ち上がり、下の方を見ながら速足で部屋を逃げ出した。

というか何故円堂監督が?





サヨナラダーリン


(これはきっと永久拷問リストに載せられたに違いない)

(まぁそれは今の日本じゃあり得ないけど…)




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