思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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放課後にはサッカー棟に赴いた。
不思議そうにサッカー部員がこちらを見たが、再び練習に戻る。
音無先生や、マネージャーの子は不思議そうにこちらを続けていた。
「円堂監督」
私はベンチの脇で腕を組んで立っている円堂監督に声をかけた。
円堂監督と目が合う。
円堂監督は私の目が見えないハズなのにそう感じた。
「先日は申し訳ありませんでした」
私は円堂監督に頭を下げた。
頭を下げるのは苦じゃない。
「何に対して謝っているんだ?」
円堂監督の落ち着いた声。
私はあまり怒っていない事に安心した。
「え?」
顔を上げて円堂監督を見ればやっぱり目が合っているような気がする。
「自分が正しいと思った事だからした事なんだろ。だったらそう簡単に頭を下げるな」
「すみません…でも私は必要だと思ったからこうしているだけなんです。所詮私の自己満足ですから気にしないでください」
自己満足。
自分で言った言葉だけど剣城君に言われた事を思い出し、またズキンと胸が痛む。
「そうか」
突然円堂監督に腕を引かれ、抱き締められた。
「!?」
異性に抱き締められると言うのは父親以外にはなく、ドキドキするものだと思った。
すぐ横をボールが勢いよく通り過ぎていく。
サッカー部の注目の的になっているのはなんとなく分かる。
そして円堂監督の行動の理由が分かった。
もしもあのボールが当たっていたらと思うと違う意味でドキドキする。
恋愛心理学における恐怖のドキドキを恋のドキドキと思い込むってやつだ。
「円堂監督、惚れそうです」
私の中で円堂監督のイケメンポイントが上がった。
あのタイミングでのハグは効果的過ぎる。
身を持って恋愛心理学の実験を体験したと言う事だ。
なるほど、教授の言っていた事は確かだ。
「あ、イケメンですねって意味ですよ!」
誤解を生むといけないので警告しておく。
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