思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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なんとか剣城君と話せる機会を作れた。
「何度も失望させてごめん」
いつも以上に剣城君の睨みが効いている。
逃げて隠れて泣きたい。
前回の冷戦では何を言っても言い訳にしか聞こえないかもしれないけどなんて言ったらだったら言うなとか思いっきり拒否られたのは結構記憶に新しい。
私どんだけがっかりさせれば気が済むんだ。
…なんて言ったらいいだろうか。
説明…そう、説明だ。
「私、剣城君の役に立ちたかった…二重スパイみたいな事してごめん…」
「迷惑なお節介だな」
「言い返す言葉もございません」
しょぼーんなんて冗談言える程の余裕はない。
空気は少しなら読めるはず…。
「剣城君と何か共有したくて…。だからフィフスセクターに手を出した」
手出したとか女癖が悪いみたい。
「俺を裏切ってまでか?」
「…ごめんなさい…」
説明出来ない。
多分また喚くのが嫌なんだ、一緒のトラウマを自分で作ってしまった。
黙っている事で逃げて…これじゃあいつもと変わらないじゃん。
変わらない…?
なんで私変わろうとしてんだろ…。
いつもみたいにそれ相応の時間だけ肩を竦めて反抗しなければ問題無かったのに…。
剣城君に反発して喚いて、見苦しいだけだったじゃないか。
状況を返って悪化させて、意味ないじゃないか。
「言い返さないのか?」
「…喚き散らして、嫌われたくないから…」
「勝手に決め付けて自己完結して…あんたのそういう所嫌いだ」
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