思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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半ば強制だったんですがね!

「無事に見つかったんだし、帰ろうよ」

私は大胆に剣城君の腕を掴み、引いた。

「待て!雷門野郎!」

反対側から引く力に私は転びそうになる。

もう片方の剣城君の腕を海王の彼が掴んだらしい。

まったく危ないな。

「野郎じゃないよ、アマだよ」

これで剣城君が普通に雷門の制服着ていたらボタンがHAJIKESOだよね。

幼稚園の頃蘭丸君と私が拓人君の腕を両側から引っ張ったらボタン弾けたもん。

そりゃあ勢いよくぽぽぽぽ〜ん!と。

「話はまだ終わってないぜ」

ちょっと可愛い顔…かなりカッコ可愛いけども…い、威張るなよっ!

態度デカイ所がなんともかわいい。

倉間君と違った意味で態度Lサイズだわ。

なんて言うの?こう、俺様系っていうか、オラオラ系と言いますか…。

「あんた今変な事考えてただろ」

ドキリ、と体が震える。

「変な事とかやだどんな事?剣城君変態ー」

ちょっとした暴言吐いて気を逸らす。

私は震える声で海王の彼に言う。

ずっと前から言ってみたい一言だ。

一言、と言うか和歌なんだけど。

「越えもせむ越さずもあらん逢坂の関守ならぬ人なとがめそ…」

この一言を言いたいが為にこの和歌を暗記した。

「は?」

「和歌だよ。夫でもない人にとやかく言われる筋合いない。それともうちの嫁に気があるのですか?」

あえて気があるのですか?を強調して言う。

付け加えて言う暴言があるとすれば、彼の口調に倣ってこのホモ野郎!

雷門野郎と言われたからにはホモ野郎はうってつけだと思う。

「よし、逃げるよ!」

剣城君の腕を引き、ダッシュ。

松風君も遅れてダッシュ。

なのに足速いェ…。

今、風が…?

私が直ぐにへばった為に休憩兼ねて剣城君と木の陰へと隠れる。

密着の所為なのか、走った所為なのかドキドキが止まらない。

「私置いて行ってもよかったのに…どうせ目的は剣城君でしょ」

「アンタが捕まって人質交換だとかなんだとか言われるのはめんどくせェ」

「私を人間扱いするのね」

「は?」

「いえ、別に…、なんでもない」




剣城君誘拐事件


(サッカー部にはホモが多いと聞いています。)

(このホモ野郎めっ!)



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