思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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私がなんとか立って歩けるくらいになった頃。

この表現じゃあ私がはいはいから成長して立てるようになった赤ん坊みたいだ。

「イシドさん、時間平気ですか?よかったらお茶していきませんか?あの、そのちゃんとお礼したいんで」

イシドさんは少し迷ったような仕草をしたが了承してくれた。

「…ああ」

私はイシドさんの手を引き、数百メートル先のお父さんの店に向かった。

店のドアを開ける。

「ただいま、お父さん」

お父さんはイシドさんを見ると固まった。

なんだ、やっぱテレビに出るような人と私が知り合いだから驚いたのかな。

お父さんは私達に近付くと繋いでいた手にチョップした。

急に離れた手にちょっと寂しいななんて思いながらもお父さんの行動には驚いた。

「ちょ、何してんのお父さん!?」

「お前に娘はやらん!!」

何を言い出すかと思えば。

私はお父さんとイシドさんの間に体を割り入った。

「イシドさんは私を助けてくれた人なの!変な勘違いしないで、イシドさんに凄く失礼!!」

そりゃあ盗聴器とかしかけるような人だけども。

私はお父さんを店の奥に押し退け、イシドさんを窓から見えにくい奥の方の席へと案内した。

何しろイシドさんは軽い有名人だ。

「先程はお父さんが失礼な勘違いしてしまってすみません」

私は少し頭を下げた。

「それで、何をしてくれるんだ?」

何故だろうか、イシドさんが言うとすごく卑猥に聞こえる。

顔を上げた時に見たイシドさんの柔らかい表情に、初めて見た時のような恐怖感は湧かず、寧ろ親しみを感じた。

やっぱり暗い場所とかでは彼は重苦しい雰囲気を醸し出していて、あの部屋が彼の存在の重要さを物語っていて、尚且つセクシーだと思った。

彼の服装からはこんなチンケなお店は似合わないなーなんて思ったけど仕方ない。

柔らかい表情はやっぱりイケメンだ。

セクシーでイケメン。

なんて素敵。

「好きなの選んでください」

私はイシドさんの前にメニューを広げた。

「お勧めは?」

「そういうと思っていました。プリンなんてどうですか?」



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