思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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多分あれだ、携帯が壊れたってのは勘違いみたいだ。

その証拠に保健室電気ついつないし、鍵閉まってる。

保健室は内側からかけるタイプの鍵だから余裕で出れる。

まぁ私は学校の鍵をほぼ所有しているから外内関係ないけどね。

ほぼっていうのは準備室とか、薬品棚とか職員室とかの鍵だ。

流石にその辺は必要ないからね、うん。

私は保健室の鍵を閉め、昇降口へと向かった。

グラウンドではサッカー部が部活を終える所らしい。

「泉!」

名前を呼ばれ、足を止める。

振り向けば拓人君。

「送ろうか?」

「子供じゃないんだから大丈夫だよ、拓人君」

全く、私は6歳じゃないんだから。

精神年齢は6歳かもしれないが。

それとも私が横断歩道の標識2つ並べてストーカー注意とか、歩行者専用の標識を誘拐注意って冗談で言ったのを未だに信じているの…?

「いや、やっぱり送る。帰る方向も同じだしな。少し待っててくれないか?」

拓人君は心配性らしい。

今に始まった事じゃないけど。

「…40秒で仕度しな」

「それはちょっと無理だ」

天空の城ネタが通じないようだ。

やっぱ大佐のインパクトが強すぎたんだな。

「じゃあ3分だけ待ってやる」

「分かった、なるべく早く済ませる」

まったくネタ通じないようだ。

最近の若者で見たことないって人多いもんね。

カルチャーショック?

これが庶民と坊っちゃんの差か…くっそ。

先に制服に着替えて来たのは剣城君で。

「これから病院?」

「ああ」

「律儀だね。ゆっちーと何話すの?剣城君私には何も話したがらないじゃん?」

「必要あんのか」

「それもそっか。ちょっとストーカーチックだったね、ごめん」

剣城君は私の横を通り過ぎていく。

そういえば剣城君の帰りを見るのは剣城君が私を守ってくれると言った日以来かな?

「バイバイ」

勇気を振り絞って出た言葉。



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