思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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翌日、私は早めに家を出て学校に向かった。

いつも遅刻ギリギリだからね。

朝早く来るとパシられたりするからあんま学校行くの気が乗らなかったから殆どギリギリだったんだよね。

でも今日は拓人君にノート返さなきゃいけないから家を早く出る事にしたんだ。

鞄に拓人君のノートが入っている事を3度は確認したから多分大丈夫。

これの為に私は早めに学校に来たと言ってもいい。

グラウンドでサッカー部が練習している。

狩屋君という子が最近入部したらしい。

蘭丸君から狩屋君と少しモメたらしい事を聞いた。

その気持ちよく分るよ、蘭丸君。

最近の子の下からの押し上げってすごいよね。

一個違いとかよくモメるって聞いていたけど本当にモメるとは思わなかった。

早く来たのはいいが、どう渡すんだ。

今練習中だぞ。

グラウンドの脇で練習をしている松風君を見付けた。

正確にはその靴紐がほどけているという事が気になっただけなのだが。

「ま、松風君!」

あんまり大きな声出して変に注目されるのは嫌なので小走りで階段を降りて松風君に近寄る。

松風君と一緒に練習していた二人も(その内の一人は言わずとも西園君だ)松風君同様動きを止めた。

見た事無い顔が一人。

多分彼が蘭丸君とちょっと揉めたという狩屋君だ。

「靴紐、ほどけてるよ!」

あ、と声を漏らし、慌てて靴紐を結ぶ松風君。

「ありがとうございます!織武先輩!」

織武先輩…そう呼ばれるとなんだか少し成長した様な気分になって、ちょっぴり嬉しい。

「狩屋!」

やっぱり彼は蘭丸君とちょっとやらかした狩屋君らしい。

狩屋君はめんどくさそうにこちらに歩いてくる。

え、いやいや、いちいち呼ばなくていいのよ練習の邪魔私が思いっきりしてるじゃん。

やめようよ、松風君。



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