思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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ちょっとクサい台詞だが、言いたいものは言いたくなる。

「信じてるんだ」

「信じている…どうでしょう?私の人生でサッカーが大きく影響するというわけでもないので軽い気持ちなんです…。しいて言うならクイズ番組の答えをテレビの前でいい当てようとするようなものです。私には、遠い世界ですから」

遠い世界だからこそ、客観的で、軽い気持ちで見れるんだ。

「ゆっちーは、雷門が勝つと信じているんでしょう?」

「うん、信じてるよ」

サイクロンスタジアムの仕掛けにはどうやら巨大扇風機があるようだ。

思春期男子に残念なお知らせがある。

女子はみんなスカートに下にジャージをはいているっ!

だから女子のパンチラは拝めない…。

テレビ画面に映る見覚えのある姿に思わず声が出る。

「み、南沢先輩!?」

不意打ち過ぎる。

転校したと聞いていたが、月山国光にいたとは…態々遠い所までご苦労さんですね。

「泉ちゃん、知り合い?」

「南沢先輩は元雷門のサッカー部のエースストライカーです。剣城君の前の10番でした」

「そっか」

内申内申とか言いながら結局はサッカー好きなだけじゃないか。

だから転校してもサッカー続けてさ…。

まぁ、革命の風に乗れない気持ちも分かりますがね。

あれですよね、みんなの流行には乗らないぜ、俺は俺の風を起こすだけだ…的な。

みんなと同じのはカッコ悪いとか、そんな感じですね、分かります分かります。

「南沢先輩、いい人でした…」

私がドアに左手の薬指ぶつけて擦りむいた時に、南沢先輩が私の指に絆創膏貼ってくれました。

それがなんだかもう、手つきが艶めかしくて色っぽかったです、まるで結婚指輪つけられる気分で最高でした。

まじキュンしちゃいましたからね。

今思い出してもときめきます。






お留守番


(スタジアムに行っていた私からすれば、)

(なんだか物足りないものだ。)



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