思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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お昼になればまた、いつものように剣城君の元へ行く。

最近これが本格的に習慣化してきたと思う。

鞄を抱えて中庭の方へ向かう途中だった。

「さーだこ」

不快になる声が聞こえた。

おいおい、勘弁してくれよ、剣城君待たせてるだから(いや、剣城君なら待たずに食べるか)。

うん、聞こえなかった、私は耳が悪い。

そういうことにしておこう。

「無視かよ、貞子バージョン2.0」

今度は少し大きめの声で呼ばれた。

まって、貞子バージョン2.0?

何そのグレードアップした感。

…なんかカッコイイじゃないか。

足を止めて見れば、見知った顔。

私の中の見知った顔って言うのはかなり問題がある。

例えるなら生徒指導の先生的な感じ。

顔を覚えられるのは決まって問題児。

私の場合は、先日私を閉じ込めた3人だ。

ちゃんと顔を覚えてやったから覚えている。

「あんたさ、どうやってあそこから出たの?」

不満そうな顔。

なんでだ、寧ろ頑張った私を褒めて頂きたいんだが。

「黙ってないでなんか言ったらどう?」

「じ、じゃあ、なんで私貞子バージョン2.0なんですか…」

「正式名称は有機生命体無限浸食菌バージョン2.0、通称貞子V2…。最近あんた調子乗ってるから」

何それカッコイイんですが、え、それホントに私の事?

もっとなんか屈辱的な名前を期待(希望だとかそう言うのじゃなくて)していたんだけど…。

それより待って、調子に乗っている?

「調子に乗っているってなんですか」

「あんたさ、うちらの事無視してんじゃん。どういうつもりなワケ?」




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