思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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「なんであんたサッカー部に入らないんだ」

剣城君はずっと疑問に思っていたらしい。

「なんで剣城君は私の事を名前で呼んでくれないんだ」

質問に質問で返す嫌がらせとかじゃないけど、聞きたい…殆どノリで聞いているわけだけど。

「ごめん、今のなしでいいから…」

しょぼーんなんて思ってみたりして、あからさまにしょげてみる。

「サッカー部に入らないんじゃなくて、入れないんだよ。拓人君私がサッカー部に入るの嫌がってたし…中学入ってからそうやって拒絶されるの怖くて、極端に交流が減っちゃったんだよね…」

本格的に友達いなくなるのは辛いからね。

なかなか口に出せなかったわ。

もう一度しょぼーんなんてね。

「それって、あんたに管理サッカーを見せたくなかっただけなんじゃねーの?」

「え?」

「あんたに無様な姿見せたくなかったんだろ」

剣城君の言葉にああ、成程と思う自分がいる。

「え、なにそれカッコつけたいお年頃?思春期か、そうかそうか、男の子だもんね、カッコくらいつけたいもんね。分かるよ、その気持ち」

うんうんとちょっとオーバーなリアクションをとってみる。

ふと、自分の小学校時代を思い出した。

嫌な思い出だ。

最早黒歴史である。

「あ、いや、でも私の小学校時代の行いを知っている人は私を部活に入れたくないかも…。強制の部活だったのに退部にされるくらいだったから…」

「何したんだよ」

「4年の時バスケ部入っていたんだけど部費を一回も払わないし、先生のウェアーとか勝手に着てそのまま借りパクしちゃったりして強制退部。仕方ないから吹奏楽部入ったんだけど演奏で音が壊滅的…寧ろ破壊的過ぎてデビルメロディなんて呼ばれちゃったり死重奏とか言われちゃったり…。結局私どの部活にも入れなくて一人帰宅部。早く帰れるのが羨ましかったのか、迷惑ばっかりだったからいじめられたのかななんて今では考えてみたりね」

小さく息を吐いて剣城君を見れば、呆れた様な形容しがたい顔をしていた。

何故そんな目で見るんだ。

確かに借りパクしたウェアーの数は30着くらいあるけども、ちゃんと退部の時返したし。

返したのに迷惑がられたから頼んで4着程頂いたけども。

「正直言えば私程度のいじめじゃいじめってあんまり言えないんだよね…」

「閉じ込められたのに?」



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