思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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甘い声、なんて言うんだろう、男性にしては高い方の声が、彼の物腰の柔らかさを現しているようだ。

それに円堂監督の様にニカッという暖かい笑みではなく、ふわっ、なんて効果音がつきそうな微笑みも大人びていて素敵だ。

「いえ…息を吸うので精一杯でした」

多分息をのむってのはさっきの現象の事なんだなとなんとなく思えた。

「吹雪!吹雪じゃないか!」

どうやら彼は吹雪さんと言うらしく、円堂監督とも知り合いの様だ。

円堂監督の知り合いなら大丈夫か。

円堂監督はホント顔が広い。

きっと円堂監督は友達百人いるに違いない。

私も円堂監督くらいコミュニティ広げたい。

いや、まぁ、学年では別の意味で広いけどね。

もっとこう、社会的に…商店街の人に顔を覚えてもらえるくらいになりたいな、なんて。

ぶっちゃけ友達らしい友達が欲しいです。

いや、剣城君は友達っちゃ友達だけど…。

あんまりおしゃべりを楽しむってタイプじゃないし…。

ゆっちーは年上過ぎて友達なんて同等の存在として見るのはなんだか申し訳なくなる。

だからと言って剣城君が同等って訳じゃないけど…。

拓人君と蘭丸君は幼馴染ってだけで私がつけ込んでる感があって、あまり干渉しちゃダメかな、なんて気が引けてしまう。

我儘、なんでしょうかね…?

そうだ、日頃お世話になっている人達に何か献上した…渡したいな…。

寧ろなんかベンチ席から見せてもらっちゃったりしたからサッカー部のみんなに何か渡したいな。

お礼とお詫びを兼ねて…。

ここはやっぱベタにはちみつレモンとか?

ボールとか触って細菌がついてそうな手ではちみつレモンを突っつく姿を想像してちょっと気分悪くなった。

爪楊枝持って行こう…。

…別に貢いでいるとかじゃないんだからっ!

ちょっとコミュニケーション能力が著しく乏しくて(別名コミュ障)で、他人の人間関係にひっついているヒモとかじゃないんだから!





こんなイケメンが不審者のハズがない!


(勘違いしないでよねっ!)

(別にアンタの為じゃないんだからっ!)



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