思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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返事は食べる以外認めませんがね。

「…なら食べる」

ならってなんだ、仕方なく食べてやるみたいな言い方だな。

失礼だな鬼道監督。

もし食べてくれなかったパターンの妄想は私が目の前で食べてやって、それで鬼道監督がちゅーしてきて甘いな、とか言われてあああああああああああああああああああああああ!!

だめだ、これは酷い、私ただの変態だ。

変態より性質悪い。

これは多分朝の告白がいけなかったんだな。

愛の告白しちゃったからこう意識しちゃってるんだよ。

昔から私直ぐに誰彼構わずの恋しちゃうような恋多き女だからね。

和泉式部みたいに浮かれ女なんだよ。

私の酷い妄想を取り払う為に取り敢えず余った最後の爪楊枝一本を差し、タッパのシフォンケーキを押しつけた。

「こ、コーヒー入れますね!」

コーヒーの分量は測らずなんとなく。

なんとなくで大体分かるようになってきた。

それは私の好みの味であって、鬼道監督の好みではないだろう。

ミルクが入っていないのはコーヒーカップの底で少し渇いて残っていたコーヒーの色で分かった。

「砂糖要りますか?」

「いや、ブラックだ」

やはりブラックか。

くそ、私ブラックとか無理。

私がポットのロックに少々手こずった所為でポットのお湯が跳ねて、私の手に付着したのに驚いた。

「熱っ!!」

非常に驚いた。

まさか跳ねるなんて思わなかった。

危うく手を離しそうになるカップに、落として割ったり、床を汚すのは申し訳ないと自分に鞭を打って痛みに耐えた。

そっとカップを置いた3秒後に鬼道監督は私の腕を掴んだ。

「えっ」

鬼道監督は無言で私の腕を引き、水道の水を勢い良く流し、水に当てた。

叩きつける様な冷水が、手に当たり、跳ね返った水がカーディガンの袖を濡らす。

私のカーディガンや鬼道監督のロングコートの袖についた水滴が夏祭りでよくある金魚が入っている袋みたいで、今年こそは浴衣を着ようかと悩んだ。

「あのっ、大丈夫です、お湯が少し跳ねただけですから…っ」

だからその手を離して下さい。

恥ずかしいです。

何これ羞恥プレイ。

いや、でもこうも優しくされるとトゥントゥクするわ。

うわ、何この最近のトゥントゥクの多さ。

軽い心臓発作自重しろ。





トキメキ火傷


(俺に近寄ると火傷するぜ…。)

(キャーイケメン抱いてっ…とか?)



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