思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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そんな細かい事を気にする所で繊細さや、優しさってでるもんだなと思った。

でもやっぱり手を引っ張っているのはちょっと注目を浴びてると思う。

そこはちょっと気にして欲しかった…。

ああ、私後でどやされるぞ。

後で短縮ダイアルに剣城君登録しておこう。

あ、でもそんな事しなくても画面見ないで電話できるかな?

…電話帳登録者少ないし…。

誰もいない保健室。

先生はまだ来ていないのだろうか。

水道まで誘導され、水に傷口を晒される。

あれ、なんかデジャヴ。

冷たい水が痛かった。

「痛かったか…?」

「ん、大丈夫」

そういう小さな事でも心配してくれる辺り、拓人君はやっぱり優しいな。

多分私が一回怪我したのをまだ気にして、ちょっと過保護になっているんだろうけど。

罪悪感でこういう事させたり、気を使わせるのってなんだかやだな。

「…拓人君、まだ気にしてるの?」

それを聞くと拓人君は肩を震わせ、俯いた。

「っ!」

あ、ヤバい、今のは地雷だったかな?

今度からは何処に足を置くかちゃんと決めてからにしよう。

私が拓人君の顔を覗きこめば拓人君は少しうるっとした瞳だった。

水で流されていた手で蛇口の水を止めた。

「な、泣かないでよ!私が悪かったよ、ごめんね…」

不謹慎だけど、拓人君の泣き顔ってドキドキするよね。

私は濡れていない片手で拓人君を抱きしめてあげる。

これを貞子療法と名付けよう。

自虐ネタ乙だね、私。

抱きしめる事で交感神経を抑圧して落ち着くそうだ。

よくドラマで男が女の子を抱きしめるアレだ。

…普通逆じゃない?

まぁ、いいけど…。

拓人君昔から泣き虫だし、男の娘だし、嫁だし。

これが私の不安定になっている子の治療法だドヤァ…

「不安にさせちゃってごめんね」

ゆっくりと体を離し、顔を見れば顔を赤くさせていて…。

私を萌え殺す気か。

2年生になっても安定の初心で私は安心したよ。





貞子療法


(こんなに可愛い嫁が、)

(私の幼馴染なはずがないっ!)



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